第16章 今年も夏休みはおわらないっ! 〜今年も大集合!1日目移動編〜
「着いたー!」
そう叫ぶのは私の隣で運転もしないでお菓子を食べていたリエーフ。
車から降りた瞬間叫んだので、同じ側のドアから降りた運転手のクロに小突かれている。
「黒尾さんなにするんですかー!」
「うるせえリエーフ!こっちは久しぶりの高速で疲れてるんだよ。」
「だからって八つ当たり酷いです!」
そんな感じでわちゃわちゃしていれば、少し遅れたタイミングで木兎の車が横に駐車した。
車が止まり、後部座席から出てくる2人。
少しへばってるのは気のせいだろうか…
そして運転席から降りてくる木兎。
1時間前にお弁当を食べたばかりなのにへろへろだ。
お弁当、2つにしておけばよかったかな…
そんなことを考えていれば、とりあえず広い所へ移動しようとの提案。
確かにこの人数で駐車場にたむろすのはまずいのでショップ近くにあるベンチ付近に移動することにした。
「とりあえず木兎。お前は食って体力回復な。」
そういうのはクロ。
いつの間に買ったのか赤葦の手には大きな肉まんが2つ。
木兎は赤葦にお礼を言うとものの数分で肉まんを胃の中に収めた。
「で、他のメンバーは腹減ってるやつ…」
クロの車のメンバーはおやつ食べてたからそこまでお腹は空いてない。
あとの2人は微妙な感じ…
『って…蛍?今日朝ご飯食べてきた?』
そう聞けばそらされる目線。
…やっぱり。
『とりあえず私、蛍連れてご飯食べさせてくる。じゃないとみんな食べるまでご飯食べなさそうだし。』
「さすがに僕でもお腹空いたら食べますよ…」
反論は認めません。
クロにも了承頂いたので、今回は木兎・赤葦、クロ・莉奈ちゃん、そして私・蛍・リエーフで行動することになった。
「30分を目安に行動。このベンチに集合なー。」
クロの声で始まった自由時間。
私は後輩2人を引っ張りお店の中へと進んだ。