第16章 今年も夏休みはおわらないっ! 〜今年も大集合!1日目移動編〜
蛍から連絡が来たのは10時丁度。
電話をしながら新幹線の改札に向かえば、やっぱり目立つ身長。
前回会った時よりまた身長が伸びたらしく周りを歩く人のさらに上に顔がある。
「ツッキー!」
リエーフが叫び、蛍が少し嫌な顔をしながら顔を上げる。
これもおなじみ。
改札からでて私達の方に歩み寄ると、ため息ながらにリエーフにツッキー呼びをやめさせようとする。
いつも通り無駄だとわかると次は私とリエーフが持っている袋を見てため息。
「どんだけお土産買ってるんですか…今日は弁当まで…」
『ち、違うもん!お弁当は木兎のだもん!』
「でも他の袋はお土産でしょう?毎回毎回よく買いますね。」
『いいじゃない!ほら、赤葦に連絡するよ?』
私はスマホを取り出すと赤葦に連絡。
車のあるタクシー乗り場のある入谷口の方へと進んだ。
構内から出ると車の外で待つ赤葦の姿を見つけ、思わず駆け寄った。
『赤葦、これ。』
「すいません…代金は木兎さんに支払わせますから後で請求してください。」
赤葦が車の中の木兎にお弁当を渡せばぺしょりとへばっていた木兎が途端に目を輝かせた。
「うわっ!マジで‼︎トンカツ弁当じゃん!美優サンキューな‼︎」
そう言うと木兎はお弁当を食べ始める。
その間に赤葦と蛍は蛍の荷物を車に詰め込み、私はドライブデートをしている莉奈ちゃん達に連絡をした。
木兎がお弁当を食べ終わるタイミングでクロ達が木兎の車の後ろに付いた。
それぞれ挨拶をし、ルートの確認をすると私達はそれぞれの車に乗り込む。
このメンバーで初めての”旅行”が始まった。