第16章 今年も夏休みはおわらないっ! 〜今年も大集合!1日目移動編〜
食べたいものを見繕っていれば私の携帯に着信が入る。
画面を見れば”赤葦 京治”の文字。
そのままタップして電話に出れば落ち着いた赤葦の挨拶。
「美優さん、着きましたよ。」
『私達も着いたよ?でも早く着きすぎたからクロ達は時間つぶしにドライブに行ってもらってるの。』
「行ってもらってる…?ってことは美優さん、駅の中にいるんですか?」
少しだけ嬉しそうな声になる赤葦に不思議がりながらも私は応答する。
『そうだけど…どうしたの?』
「いや、木兎さんなんですが「みゆぅ……」
突然割り込む木兎の声。
その声はいつもの覇気がない。
「俺さー、朝起きて飯食おうと思ったら台所綺麗さっぱり片付けられててさー…飯食ってねーの…」
うん。そんなことだろうと思った。
『じゃあ、木兎の朝ごはん買っていけばいいのね?』
「お願いします。木兎さんこんな状態だからなかなか準備終わらなくて結構ギリギリで…
ここまでコンビニのロールパンで連れてきたんですがさすがに限界みたいなので…」
『了解。がっつり系の何か買っていくね?』
そう言い電話を切ると、私はお弁当屋さんに走り木兎のお弁当を購入。
蛍から連絡が来るギリギリまで私達はお店を見回った。