第16章 今年も夏休みはおわらないっ! 〜今年も大集合!1日目移動編〜
上野駅集合1時間前。
家の鍵を施錠し、クロの車に乗れば車は目的地に向かって走り出す。
「なんかあったら言えよー。すぐ休憩入れるから。」
『了解。』
助手席に座る莉奈ちゃん。
今日はデニムのサロペットに黒のギンガムチェックのオフショルダー。
黒のリボンのついたローヒールサンダルを合わせている。
運転席のクロは、黒のVネックTシャツに黒のカモフラ柄のパンツにサンダル。
隣のリエーフは黒のタンクトップに白のビッグシルエットのTシャツ。下はチェックのスキニーパンツにサンダル。
そして私は、ふわりとしたリボンタイ付きのシフォンシャツにネイビーのキュロット。
そして莉奈ちゃんと出かけたときに履いていたストラップにリボンのついたパンプスをチョイスした。
助手席に座った莉奈ちゃんがくるりと私達の方を向く。
「おやつ持ってきてるんであとで食べましょうね!」
そう微笑む莉奈ちゃんが可愛くて、きっとこれから先甘やかしてしまうんだろうなと考えてしまう。
そんなやりとりを見たリエーフが私のシフォンシャツを小さく引く。
リエーフを見ればちょっとだけ拗ねた顔。
「美優さん、俺にもおやつ…」
あ、拗ねてるのはそっちでしたか。
私は鞄を探ると車酔い防止で買っておいた飴玉をリエーフの口の中に入れてあげた。
これで少しは静かにしているでしょう。