第16章 今年も夏休みはおわらないっ! 〜今年も大集合!1日目移動編〜
クロと莉奈ちゃんにテレビを見ながら休んでもらっている中、私はリエーフと手分けして家の最終確認。
リエーフには全ての部屋の鍵点検とゴミ回収を。
私は洗い物と冷蔵庫の中身確認、シンクを洗って生ゴミをまとめて…
夏に家空けるって危険がいっぱいなんだから…
それらを全て終わらせ手を洗っていれば、ゴミを回収してきたリエーフがキッチンに入ってくる。
「ゴミ回収完了です。」
『リエーフありがと。後はダストボックスに持っていくだけだね。
自分の準備できたらテレビ見てていいよ?』
そう伝えたはずなのに、リエーフはキッチンから移動しない。
それどころか私を背中から抱きしめている。
『…リエーフ?』
「せっかく2人きりだから。」
そう言って微笑むリエーフ。
しょうがないなぁ。と笑えば私はリエーフの腕の中でくるりと反転する。
『旅行だからってあんまり他の女の子見たりしたら嫌…だよ?』
「美優さんもですよ?俺のこと見ててください。あと、他の男誘惑しないでくださいよ?」
『しないよ…』
そう私が言うとリエーフは腕の力を緩め、私を見る。
「美優さん、キスしていい?」
『…ダメって言ってもするくせに。』
2人でくすりと笑うとリエーフがぐっと屈むから、私もリエーフの肩に手を回し背伸びをする。
40センチの身長差が一気に縮み、唇が触れた。
「旅行、楽しみましょうね?」
そう、リエーフが笑うから私も頷いて笑った。