第16章 今年も夏休みはおわらないっ! 〜今年も大集合!1日目移動編〜
食事を運び終えたと同時にまた、玄関の扉が開く音がした。
「終わりました…かね?」
『見てくるから座ってて?』
私はそう言い残し玄関へと向かおうとした時、がちゃりとリビングのドアが開いた。
「終わったぞー。」
「腹減った…」
『クロ、お疲れ様。リエーフはあんまり働いてないでしょ?ご飯どうぞ。』
2人を席に促し、自分も席に座る。
挨拶をして食事を食べ始めればリエーフと莉奈ちゃんは幸せそう。
クロはいつも通り。
『ねえ、クロ。今日のお昼は適当って言ったけど夜は?』
「ああ、バーベキューのセット頼んでる。」
『じゃあバーベキューの材料買えばOK…かな?』
いや、足りない気がする…
食事量に関しては3人前平気で食べる人が2人はいるからなぁ…
まあ、どうせ次の日の朝ごはんも準備しなきゃだし…
クーラーボックスも持ったから余ったら持って帰ればいいし…
まあ、なんとかなるでしょう。
なんて考えていたらクロも同じようなことを考えていたらしく、2人同時にため息をついた。
「まあ、あれだ。美優がしんどかったら外で食おうぜ。観光なんだし…」
『いや、朝と夜はちゃんと作るよ。面倒だったら簡単なものにするし。』
まあ、なんとかなる。
とりあえず今は目の前の食事を終わらせなきゃ。
そう思い、自分の食事を食べようとすると隣から視線。
みればすでに空のお皿。
『足りない?』
そう聞けばこくりと頷き私を見つめるグリーンの瞳。
仕方ないなぁ…
私は立ち上がるとリエーフから汁椀を受け取り、キッチンからスープを持ってくる。
そして、私がまだ手をつけていない食パンとウインナーをお皿に入れてあげれば瞳を細くして笑う。
「美優さん大好きです。」
『もしこれでも足りなかったらあとで何か買おう?うちには材料ないから。』
「了解っす。」
そう言いながらパンにかぶりつくリエーフを見てるだけで幸せ。
なんだけど、今日はクロと莉奈ちゃんがいるんだった。
『ちなみにふたりは足りてる?』
そう聞けば女の子である莉奈ちゃんは食パン1枚を残しだけれど他は完食。
クロは莉奈ちゃんの残した食パン含めて完食。
食後の飲み物を入れて戻ってきた頃にはリエーフのお皿も空になっていた。