第16章 今年も夏休みはおわらないっ! 〜今年も大集合!1日目移動編〜
リエーフに身支度を促し、 クロに荷物をお願いする。
家に来るのが初めての莉奈ちゃんはそわそわ落ち着かない。
『じゃあ莉奈ちゃん。食事運ぶの手伝ってもらっていい?』
「あ、はい!」
私が莉奈ちゃんを手招きすると莉奈ちゃんは私に近寄る。
そのままキッチンへと向かうと2人分の食事が乗ったお盆を渡す。
『汁物盛り付けしちゃうから机に並べてて?』
「はーい。」
そう返事して莉奈ちゃんがキッチンを去ると入れ違いに入ってきたのはリエーフ。
「準備完了です。手伝いますよー!」
『リエーフはクロの車に荷物運ぶ!』
「えー…」
機嫌よくリエーフに動いてもらうには…っと。
少しだけ考えた後、不機嫌顔のリエーフをしゃがませると私はそっと唇にキスを落とした。
『リエーフ、お願い?』
「……っ、わかりました。」
私からのキスにちょっとだけ機嫌をよくしたリエーフはキッチンから出て行く。
そんなとき丁度クロが戻ってくる音がしたからあとはなんとかなるでしょう、とリエーフをクロに任せた。
「ラブラブですね。」
突然聞こえた声にびっくりしてキッチンの入り口を見ると、料理を置いてきた莉奈ちゃんがこっちを見ていた。
『見てた…よね?』
「もうばっちり。」
いつも普通にやってることだけど人に見られるとさすがに恥ずかしい。
「いいじゃないですか。ラブラブで。」
『…もう……次はこれ、お願いね?』
そう、お願いすれば莉奈ちゃんは返事をしてお皿を持っていく。
私は、温めていた汁物を盛り付けると、それを持ってリビングへと向かったのだった。