第15章 【番外編】それぞれのデート 獅子編
お風呂ではリエーフが期待することはなく…
(最初からお風呂はあわあわにしたし、タオルは巻いたし。)
先に逆上せてダウンしたリエーフのあとを追って私も部屋に戻った。
私の部屋に戻ればベッドに大の字になるリエーフ。
そっとベッドに近寄りおでこにカップアイスを乗せるとリエーフはゆるりと目を開けた。
「みゆ…さん?」
『アイス、食べる?』
「みゆさんが食べさせてくれるなら。」
仕方がないなぁ。
なんてくすりと笑うと私はカップアイスの蓋を開けスプーンでアイスをすくうとリエーフの口に運んだ。
口を開けるように促せば雛鳥のように口をかぱりと開いたので口の中にするりと滑り込ませた。
「…っん!これ…チョコミント…」
『うん。私の。』
手の中にあるカップアイスを見せればリエーフはしょぼくれ顔。
「すーすーするの歯磨き粉みたいで苦手なんすよ…」
イマイチそうな顔で私を見るリエーフ。
意地悪しすぎたか。
私は隠し持っていた同じメーカーのチョコアイスの蓋を開けるとまた、リエーフの口にアイスを放り込んだ。
口に入ったのがチョコ味だったからか、今度は幸せそうな顔。
自分のアイスを食べながら、リエーフにアイスを食べさせていれば最後の方には溶けてきてしまうわけで…
うっかりスプーンを逆さに持ってしまい、スプーンについていたアイスの雫がつ、と腕に落ちる。
『あ…ティッシュ。』
取りに行こうとした時、不意にリエーフが起き上がり手首を掴んだ。
と思ったら、アイスの雫をリエーフが舌ですくい取った。
皮膚よりも熱い舌先に、背中がぞくりとふるえた。
舌が手首に差し掛かると、リエーフはちうっと音を鳴らしながら手首に唇を落とす。
そして私を見ると
にやり、笑った。