第14章 【番外編】それぞれのデート 黒猫&三毛猫編
side莉奈
「てつろーさん…?」
「ん…?」
ぞわり
駆け上がる快感にちょっとだけ不安になりてつろーさんを見れば、お風呂上りで降りた髪の隙間からにやりと私を覗く。
「この水着着た莉奈チャン想像したら我慢できねえ。いい?」
ふわりと耳に吹き込まれ、ふるり、体が震える。
こくりと首を縦に振れば、スーツケースがぱたりと閉じられ、ぎゅっと抱きしめられた。
「りな…」
吐息に乗せて名前を呼ぶ声が熱い。
耳たぶ、首筋、うなじ、肩と順にてつろーさんの唇が動く。
はふっと息を吐くと、肩口にぴりりと小さな痛み。
見ればそこには小さな赤い華。
てつろーさんが咲かせてくれた華を指で撫でると、嬉しくて笑みがこぼれた。
「これ、嬉しい。もっとつけてください。」
「つけすぎると旅行まで消えねーぞ?」
てつろーさんのこういう挑発、だいすき。
膝の中で反転して向かい合わせになると、てつろーさんの唇に小さなキスを落とし、挑発に乗った。
「水着で隠れるところにいっぱい、ください。」
てつろーさんはくくっと小さく笑うとぎらりと目を光らせ私を見た。
「上等。覚悟しろよ。」