第12章 獅子、ご立腹。
ふと起きれば窓からは朝の柔らかい日差し
…とは程遠い、夏の日差し。
いま何時!
慌てて起きればずぐんっと腰が痛みで疼き、そのままベッドに座り込む。
痛みに悶絶していると、かちゃりとドアが開きその隙間からリエーフが顔を出した。
「あ…美優さんおはようございます。」
やけによそよそしい。
どうしたんだろう…
首をかしげていればリエーフは私のそばに来て、私を後ろから抱きしめるように座る
「美優さん、昨日の覚えてますか?」
『昨日って、えっち…の時のこと…?』
そう聞けば、リエーフは少しだけ頬を染めながらあの…と話を切り出す。
「俺、いろいろ言ったじゃないですか…そのあと…
いや、なんでもないです。」
ぎゅううと抱きしめられ、誤魔化される。
『…もしかして私…なんか変なこと言った?』
私が聞くとぴくん、と体を跳ねさせる。
私、何言ったんだろう…
なんて考えていたら、リエーフはぽそり、呟いた。
「俺のこと…むちゃくちゃ好き…です…ね。美優さん。」
…?
どういうこと?
「昨日、俺の好きなところ…いっぱい言ってくれたんですけど…覚えて…ます?」
うそ。
昨日頭の中で思い浮かべてたリエーフの好きなところ、全部口に出てたの⁈
『りえーふ…全部…聞いた?』
「ん。髪の色とか…笑顔…とか、手とか…声とか…」
完全に思考だだ漏れてたみたいです。
思い出すだけで恥ずかしい…
かああと顔が赤くなっていくのがわかる。
恥ずかしさで身悶えていたら、リエーフがさらに私をぎゅっと抱きしめる。
「嬉しいです…俺も、美優さんの全部、好きです。」
頬…より後ろ。
耳の裏にリエーフはちゅっと口付けた。