第12章 獅子、ご立腹。
『りえーふ…?おふろ、終わったよ?』
部屋に戻ればリエーフはベッドに寝転びながらスマホをいじっていたが、私の声を聞くと携帯を、いつのまにか持ってきていた充電器に差し、体を起こした。
「美優さん、ちゃんと”全部”着てきた?」
意地悪な顔で笑いながら質問をしてくるリエーフ。
『着て…きたけど…』
「じゃあこっち来てよ。恥ずかしがってないで。」
ドアの隙間から顔を出し中々部屋の中に入らないのを見て、リエーフは私に手招きをする。
『恥ずかしい…』
「俺足痛いから迎えに行けないから、ね?」
そうだった。
リエーフ捻挫したから合宿途中で帰ってきたんだもんね。
そろり、そろりと扉の陰から体を出す。
リエーフは私の姿に満足そう。
「早く近くに来て俺の看病してください。俺専属の看護師さん。」
そう。
リエーフに渡されたのはナース服。
でも病院の看護師さんが着ているようなちゃんとしたものではない。
白衣のようにがばりと開いた胸元に襟。
前ボタンの半袖シャツ。
裾は少しでも動いたら下着が見えるくらい短い。
そして、今ではあまり見たことのないナースキャップまでセットになっていた。
そして足には白の網タイツにガーターベルト。
裾を手でぐいぐい下に下げながらリエーフのところに近づく。
「ちゃんと”全部”?」
リエーフはするりと布の上から私のお尻を撫でる。
薄い布地からリエーフの体温が伝わってふるりと体が震える。
「じゃあ、自分でまくって見せて?」
きっと恥ずかしがったってリエーフは止めてくれない。
だから私はそっとスカートを持ち上げた。
「ん。エロい。」
ぺろり、唇を舌で湿らすようにひと舐めすると、私に後ろを向かせた。
「マイクロビキニって本当に隠す面積少ないっすね。」
そう。今着てるのはマイクロビキニ。
ほぼ紐で構成されているその下着は胸の頂と股部分をほんの少しだけしか隠しておらず、裸よりも恥ずかしい気がする。
Tバッグになった一片を、リエーフは軽く引っ張り離す。
ぺちんと肌に打ち付けられきゅんと体が疼いた。
「さて、準備ができたところで…美優さん?」
リエーフに呼ばれ、ふりかえる。
そこには極上の笑みを浮かべたリエーフ。
「おいで、美優さん。話、しようか。」
やっぱり私、リエーフには逆らえないみたいです。