第12章 獅子、ご立腹。
手を引かれ、連れて行かれたキッチンではリエーフが買ってきた食材を私が出してリエーフがしまうという流れ作業を行った。
ちなみに言い訳しながら逃げ出そうとすると”美優、さん”と私を呼びながら最高の笑顔を私に見せる。
リエーフが私のことをこの呼び方で呼ぶ時は、むちゃくちゃ怒ってる時のみ。
ぱたん
冷蔵室に買い物をしてきたものを詰め終わったらしく、冷蔵室の扉が閉められた。
「さて、と。」
改めて私の方に向いたリエーフ。
「じゃあ、美優ママのベッド行こうか。」
明日はやりたいこといっぱいあるけれど…
動けるかな…
そう心配する私の手をぎゅっと握るとどんどん廊下を進み、両親の部屋にリエーフは入っていく。
そして、壁1面にある収納の1つ…リエーフが許可を得ている扉の1つを開ける。
「はい、これ、着てきてください。」
リエーフごそごそとクローゼットの中を漁り、手近にあった袋に目当てのものをぽんぽんと入れ、私に渡してきた。
服…なんだよね?多分。
「ちゃんと、”全部”着てきてくださいね?」
ついでにお風呂もいいですよー。
そう言われたから、諦めて一度部屋に向かいお風呂の準備をしたあと、私はお風呂に向かった。
お風呂から上がったあと、着る服を見て羞恥で叫び声をあげることになるなんて今の私は想像もしていなかった。