第10章 獅子のいない1週間。ナイショのデート編
『ただいま。』
玄関の扉を開ければ、がらんとした家。
ーおかえりなさいっ!ー
いつもだったら聞こえてくる声も、駆け寄ってくる物音も聞こえない。
お風呂に入ってさっさと寝てしまおう。
そう思い、先にお風呂に向かい浴槽にお湯を張る。
その間に着替え…
今何時…?
ふと、スマホを取り出すと何件かのメッセージがあった。
灰羽:美優さん寂しくなってませんか?
灰羽:美優さんに触りたい
声聞きたい
灰羽:電話したいです
ラストのメッセージから30分は経ってる。
それに、向こうは消灯時間。
私はメッセージを返すと、そのままお風呂に向かった。
美優:買い物行っててスマホ見てなくて…
ごめんね?
美優:もう遅いから明日電話しよう?
今日は私、リエーフと喋れない。
ーーーーーー
お風呂から上がり、部屋に行けばスマホがチカチカ光る。
灰羽:美優さんにあいたい
灰羽:美優さんに触りたい
灰羽:美優さんとえっちしたい
灰羽:美優さんの可愛い顔、見たい
灰羽:美優さんにおやすみっていってほしいです
とっくに消灯時間過ぎてるのに…
仕方がない…
気持ちの整理ができてない今、リエーフと電話したくなかったんだけどな。
美優:電話、いいよ。
すぐに付いた既読。
そして、しばらく経ったあと私のスマホが鳴った。