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あいつはねこまのわんこ系少年 そのにっ【HQ】

第10章 獅子のいない1週間。ナイショのデート編





あのあと私達は少しだけ山下公園を散歩した。

ゆっくり、ゆっくり散歩をして、それで終わり。

帰るか。

マサちゃんの声でふと我に帰り、車に向かうマサちゃんを急いで追いかけた。


ーーーーーー



カーデッキから流れる洋楽のバラードを聞きながら、私達は横浜を離れた。


夜の景色がキラキラと光るのを車の窓から眺めていると、マサちゃんがぽつりと言葉をこぼした。


「最後にごめんな。」


何も声をかけることができない。

そんな私をよそに、ぽつり、ぽつりとマサちゃんは話し始めた。

「なんでだろうな。
忘れようと思っても忘れられないんだ。」




「お前じゃなきゃ、だめなんだ。」



さっきの心臓の鼓動でわかってる。
私のこと、好きでいてくれていること。


でも、私はマサちゃんが望む言葉をあげられない。

何も言えないまま、 車は私の家の前で止まった。



「着いたぞ。」


『ありがとね?マサちゃん。』


助手席から降り、後部座席に置いていたお土産を手に取ると運転席に回る。
マサちゃんは窓を開けて私に話しかけてくれた。


『マサちゃん、今日一日楽しかった。
あと、夕飯ご馳走様でした。』

「おう。じゃあな。」

それで終わるはずだった。

「あ、美優、髪の毛にゴミついてる。」

『うそ⁈どこ⁈』

「前髪んとこ。」

前髪を探るけれど取れたかもわからない。
そんな私を見かねたマサちゃん。

「こっちこい、とってやるから。」

素直に私はマサちゃんの目線までかがんでマサちゃんに顔が見えるようにした。





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