第10章 獅子のいない1週間。ナイショのデート編
中華街で買った点心やら中華まんをあらかた食べ尽くしたあと、私達は赤レンガ倉庫やワールドポーターズのある地域へ向かった。
海沿いだからか風が気持ちよくてついつい窓際の席があるカフェでゆっくりお茶をした。
お店の中も見て回ったし、外を散歩したりもした。
そして、夜。
山下公園の本当に目の前。
そんなホテルの最上階。
キラキラ光る夜景が見える窓際の席。
女性にとっては憧れのようなレストラン。
の前にいます、私。
って!
うそ!
だからおとなし目の格好っていう指定があったのね⁈
ちゃっかりマサちゃんはサマージャケットに着替えてるし‼︎
『マサちゃんずるい…』
「まあ、これくらい出来ないとな?じゃあ行くぞ?」
そう言うとマサちゃんは私にそっと手を差し伸べる。
『マサちゃんがイケメンすぎて辛い…』
そうぼそりと呟いたらマサちゃんはにやり、笑う。
「まあな。これでもお前の事喜ばせようと色々考えてるからな。」
『馬鹿でしょ…マサちゃん。彼氏持ちの私なんかに…』
急に手をぎゅっと握られる。
顔を上げれば目の前にはマサちゃんの顔。
「んなしけたツラしてんじゃねえ。こういうのは年上に甘えておけばいいんだって。」
『…わかった。』
そう返事をし、私はマサちゃんに引かれるがまま、レストランに入店した。