第10章 獅子のいない1週間。ナイショのデート編
「お前さー…」
『何?マサちゃん。』
「移動が車だからって買いすぎじゃね?」
うん。買った。
パンダ柄のエコバッグ。
日持ちするお菓子やら冷凍の点心。
マンゴープリンに杏仁豆腐。
そして手にはパンダまんとエッグタルト。
ドリンクホルダーにはタピオカ入りのミルクティー。
パンダまんはいろんな色があったから定番の白パンダにした。
いろいろ買って満足した私達は、車に戻ってきていた。
『だってたまにしか来れないんだもん。いいでしょー?』
そう言うと私はエッグタルトにかぶりつく。
まわりの生地はサクサク。
中のプリンとカスタードクリームの中間みたいなのがトロトロで絶妙なおいしさ!
『マサちゃんマサちゃん!これ美味しい!』
はいと差し出せばマサちゃんは大人しく私の食いかけにぱくりとかじりつく。
「ん…これ甘くね?」
『これくらいが美味しいの!』
残りのエッグタルトを口に放り込むと、次はパンダまん。
可愛いすぎて食べたくない…
けど食べる!
口が書いてあるところからぱくりと行けば中からじわりとチョコレートが溶け出してくる。
『うにゃっ!これチョコレート!』
こぼれないようにチョコレートをちゅっと吸えば、何かに気づいたマサちゃんが私を引き寄せる。
そして、ぺろりと私の口端を舐めた。
「これも甘えな。」
『ま…ま…さちゃ?』
「んー?ゴチソウサマ?」
マサちゃんのやることがいちいち恥ずかしくて私は、うつむきながらもぐもぐとパンダまんを食べた。