第1章 *.浮気の本能〈二口堅治〉
二口「ちゃんと挨拶するんでっ!ねっ!いいでしょ?!」
ちゃんと挨拶するって.....
なんの挨拶よ。
結婚を前提にお付き合いしています。
かて。
はぁ。
拾ってしまったもの(後輩)は仕方ない。
いちいち、可愛らしい仔犬のような顔をしてくる後輩を、この土砂降りの中、降ろすわけにもいかないし。
あぁぁぁぁあっ、、
私のバカ......。
「わかった、わかった。いこっか!」
少し憂鬱な気持ちで家に向かう。
二口「うわー。さんち、ちょー豪邸じゃん。(笑)」
「別に。ほら、どーぞ?」
玄関をあけて彼を入れる。
二口「おじゃなしまーす!」
母「おかえ、、んっ?!」
「ただいまー。」
二口「すみません、急に押しかけて!今日、お世話になっても...いーっすか、??」
おい、なんだその
イケメンスマイルは。
そして仔犬のような目。
母「へっ、ああっ、うん!もちろん!どうしよう、ちゃんがイケメンつれてきちゃった...!」
ママはどうやらお気に召したようだ。
親もこんな笑顔にやられるとは。
ちょろいな....。
二口「イケメンだなんて。お母さんもお若いっすよ!さんと姉妹に間違えられませんっ?」
な、なんて口ベタ。