【おそ松さん】もう二度と恋しないなんて言わないで【過去編】
第6章 それぞれの過去
「あ、そっか、ごめん」
紅夜の表情を見て気付いたのか
紫雨はわざとらしくパチン、と指を鳴らし、
ゆっくりと狐に姿を変える。
既に生え揃った9本の尾を大げさに揺らし
「これなら信じられるっしょ?」
と、姿に似合わない喋り方で問いかける。
徐々に紫雨が人から獣、
否、妖に変わっていくのをぼんやりと見ていた紅夜も
その問いにハッとし
「失礼いたしました、紅夜と申します。
危ないところを助けていただき、ありがとうございました」
と、深く頭を下げる。
「あぁぁ、やめてやめて、
硬っ苦しいの嫌いなの。」
人間の姿に戻し、顔の前で勢いよく手を振る