【おそ松さん】もう二度と恋しないなんて言わないで【過去編】
第6章 それぞれの過去
「これでよし!立てる?」
紫雨は紅夜の体をひと通り眺めると
傷が一つもないのを確認して体をポン、と叩いた。
「・・・ありが、とう。」
恐る恐る体を起こす紅夜。
「それで、なにがあったか、話せる?」
きっと紫雨は私と同じで
仲間が酷いことされるのが一番許せないんだと思う。
紅夜が落ち着いたのを見計らって
時雨は紅夜に1トーン低い声で声をかけた。
「・・・。」
だが紫雨の見た目はただの人間。
狐と喋れているだけの、少し変わっただけの人間だ。
喋れている、というほど会話もしていない。
助けられたとはいえ警戒するのは当たり前だ。