• テキストサイズ

【おそ松さん】もう二度と恋しないなんて言わないで【過去編】

第6章 それぞれの過去


一通り、今までの経緯を聞いた紫雨は
スクッ、と立ち上がり


「おいで、」

と一言紅夜に声をかけ、
人の姿のまま山を下り始める。


紅夜からは見えない紫雨の顔は
怒りで酷く歪められて。


麓についた紫雨は

「好きなだけやっちゃいな~っ!」

と紅夜の頭に軽く触れる。


妖力を分けた、のか・・・。
さっき、私がやったように。


途端に紅夜の身体は膨れ上がり
倍ほどの大きさになって人々を無差別に襲いだす。

妖力の量が多くて暴走してるのか・・・!

ハッとし紫雨を振り向けば
ニコニコと子供のように
楽しそうに、ただ紅夜を傍観していた。


・・・、こうなるって分かってて
わざと多めに妖力を移したのか。


いつもより一回り大きい紅夜は
憎しみに任せていとも簡単に人間を次々に傷つけていく。


あまりに悲しくて目を逸らしてしまいたくなる。


・・・それでも。

一瞬ギュっと、目をつぶるも
すぐに目を開き目の前の惨状を目に焼き付ける。


逸らしてはいけない。
紅夜の・・・
紫雨のずっと抱えてきたものだから。
/ 87ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp