【おそ松さん】もう二度と恋しないなんて言わないで【過去編】
第5章 数千年の月日
数千年の月日はあまりにも長すぎた。
紫雨に申し訳ないと思いながらも
それが当たり前だと心のどこかで思ってしまっていたんだ。
つらいこと、悲しいことは私は感じる必要はない、と。
それこそが紫雨を生み、
私たちを引き合わせまいとしているのを気付かずに。
どうすればいいか分からない?
そもそも行動すら起こしていないくせに
よく言えたものだ。
紫雨に謝りたいと思っても
その術はないとどこか諦めていたのだ。
記憶なんて戻るはずがなかった。
私が心から望まなければ。
無意識に拒絶するのをやめなければ。
「彼岸、もう、戻って来いよ。
昔みたいに、2人で山を駆け回ろう。」
あぁ、どうして今まで気づけなかったの。
答えはいつでも目の前にあった。
それに背を向けたのは私。
知ろうとしなければ、知ることはできない。