【おそ松さん】もう二度と恋しないなんて言わないで【過去編】
第4章 愛なんて知らなくて
【???】
「く・・・ふふふ、あは、あははははは!」
足りない足りない足りない足りない
参道に並んだたくさんの出店を
手当たり次第に崩していく。
「彼岸様!!!」
その声に
彼岸であり彼岸ではない彼女は
手は出店に向けたまま、顔だけクルリと振り返った。
「ありゃ、見つかっちったーっ
咲夜ちゃん、ひっさしぶりー」
「紫雨、様・・・・」
咲夜はその挨拶に、
苦しそうに顔をゆがめ、彼女から顔を背ける。
「あったりー!
そーんな顔しないでよーん」
そんな咲夜の様子はまるで見えていないかのように
彼女、紫雨と呼ばれたその人は美しくも無邪気に笑う。
「お??紅夜ちゃんもいるー!
2人とも元気だった―ぁ??」
咲夜に少し遅れて追いついた紅夜にも気付き
ニコリと笑いかける。
「ねぇさまを返してくださいますか?紫雨さま。」