【おそ松さん】もう二度と恋しないなんて言わないで【過去編】
第3章 嵐の前の静けさ
だが次の瞬間にはもういつもの笑顔だった。
・・・気のせい・・・だった・・・?
「あれ?お伝えしてなかったですか??
彼岸様に初めてお会いした日
あの日、俺誕生日だったんですよ」
・・・いや、やっぱり気のせいじゃない。
前にも少し言ったがこれでも神の端くれだ。
人間の感情、特に親しい者の感情は
汲み取ったかのように伝わってくるのだ。
恐怖、憎悪、嫌悪、失望、悲哀、恐慌
・・・・・絶望。
暗くて、重くて、苦しくて、泣いてしまいそうになる。
悲しい感情がこんなにも多く混ざり合っている。
ねぇノギ、もう1年一緒にいるのに
私は貴方のことをこんなにも何も知らない。
私からすれば1年なんてあっという間だし
体感で言えばノギを拾ったのなんてついこの間だ。
でも人間にとっての1年は違うだろう?
人間なんてこの時代でも
長生きしたって80年ぐらいだろう?
その内の1年。
少なからず私よりはゆっくり進んでいるはずだし
私よりは貴重な1年なはずなんだ。
そんな1年を共に過ごしてきたのに。
ノギのこと
何も知らない。