【おそ松さん】もう二度と恋しないなんて言わないで【過去編】
第3章 嵐の前の静けさ
「はい、あねさま。
そういえばもうすぐ十五夜ですね」
まだぼんやりした頭で
咲夜が準備した着物に腕を通す。
「あ、待ってあねさま、先にこっち」
「あ・・・あ、そうか・・・」
差し出された桶で素直に顔を洗えば
咲夜がタオルを差し出してくれる。
「もう、いつまで経っても
寝起きの弱さは治らないんだから」
クスリ、と笑いながら世話をしてくれる咲夜には頭が上がらない。
「そうかぁ、十五夜か・・・」
今度こそ着物に袖を通しながら
5日後の祭事に思いをはせる。
5日後は稲荷大社で十五夜祭という催しがある。
そういえばそろそろ準備が始まるのだろうか。
2週間ぐらいは人間の出入りが増えるだろう。
人間嫌いの紅夜には気をつけておかなければならない。