第1章 ギャンブル
「久しぶり、ジヨン、この頃来なかったじゃない。」
「仕事が忙しくてさ…それより、面白い話って?」
通いなれたクラブのVIPルームにはお目当ての女が待ちくたびれた顔で待っていた。
「なに、あのメールにつられて来たの?」
「あぁ、うちのバックダンサーを見かけたって?どういうこと?」
顔馴染みのクラブハウスに久しぶりに顔を出したのは最近、バックダンサーに抜擢されたあの6人の噂を聞き付けたからだ。
初めて会った時に普通のダンサーとは違うオーラに惹かれた。特に夏音という女に。あいつは何かある。そんな気がしていた。
「へぇ、間違いないわけ?それ。」
知り合いの女によるとあるバーで似た女たちがライブをしているらしい。
「間違いないわよ。そっくりだったし、演奏はプロ並みだし。なんであんな流しをしてるかは分からないけど。」
「へぇ、面白いな…行ってみるか。場所は?」
「何よ、もう帰るの?久しぶりなんだから遊ぼうよ。」
「ヤダ、場所教えて」
「…分かったわよ…」
俺は言われた通りにそのバーに向かった。
夏音のことが知りたいから…どんな演奏かも聴きたい。