第1章 ギャンブル
君は女の子なら何でもいいって聞くけど仕事のことでは真面目なのね。
「あぁ、いいんじゃないか」
ジヨンは気のないふうに言う。
やっぱり大物アイドルだから態度もでかいのね。
巧いじゃん?いいんじゃないか。上から目線ね。
「ありがとうございます。」
我慢我慢、今は波風たてない。影武者にならなきゃ。
何れはスターになるんだから…
これしきの屈辱、屁でもないわ。
「俺より巧いよ。新人とは思えない…」
最年長のタップが笑って誉めてくれた。
この人、苦手だわ。雰囲気があいつに似てるから…有名俳優に。
「そりゃあ、タップヒョンには勝てるでしょ?」
そんなタップをテソンはからかう。
仲いいのね。微笑ましい。
「お前なぁ、はっきり言うなよ。」
タップは凹んで拗ねていた。
「これからよろしく。ヨンベです。」
「あ、よろしくお願いします。」
ヨンベが一番礼儀正しいわね。しっかりしてるわ。
「じゃあ、リハしますよ~」
プロデューサーの合図でリハーサルが始まった。
今日はどれくらいで上がれるだろう。バンド練習したいな…
社長の入れ知恵なのか思ったよりはやく解放された。
すぐに社長に与えられた家に戻る。
待ち望んでいた練習の時間がきた。
練習と言ってもこれまた与えられた家にあるライブバーで演奏をすることなんだけど…
社長に与えられたのは一棟のビル、上に自分達の住居と下にはライブバーを与えられ、そこでバイトしながら練習しろと言われた。
そのバーに気まぐれに社長はやってきて私の部屋に泊まる。もちろん泊まれば卑猥なことをされる。それが奴隷契約だ。
みんなには言ってはいないがマネージャーの椎橋紗英には薄々勘づかれていると思う。
「紗英ちゃん、お疲れ。ごめんね。ほぼ、店任せきりで…」
「あんたらのマネージャーなんだからどうってことないわ…演奏させたいから店のことは心配すんなよ。」
「ありがとう…」
「夏音、リクエスト入ったから来て」
紗英の妹の小夜がステージから呼ぶ。
「ん、分かった~」
さぁ、思いっきり歌うぞ~。
今は表に出ることない私たちだけどいつかは世に出ることを願っていつも演奏する。
この時間が一番幸せだった。