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ギャンブル

第1章 ギャンブル


今日も、きっとあいつは来る。
最近、目障りだったのよね。
社長を黙らせることできたと思ったら、あいつが出てくるんだもの。
だから、今日は試させてもらうわ。
夏音をどう思っているのか。
社長も別に悪いようにはしないつもりだったみたいだけど、やってることが許せなくて、試してみたら、期待はずれだったわ。見破れたなら、少しは考えたのに…まぁ、それだけの男ってことね。

「夏音、寝てなきゃダメじゃない。」

夏音がいないから今日はライブ練習は休みだけど、映見が紗英を手伝いに来ていて、私を目敏く見つけて、止めようとする。

「私よ。夏蓮。」

私は、ニッと悪い笑みをしてウインクする。

「あ、あんた、またそれすんの?」

紗英が呆れたように言う。
まぁ、夏音に近づく男がいるたびにこれをするから呆れられても仕方ないけど。

「うん、これくらい見破れなきゃ彼氏なんて認めないわ。それにそのつもりがあってあんなことしてんのか。はたまた、ただの遊びか、見破るのもこれが一番、効くのよ。ただの遊びのつもりならそれなりに対応できるし…」

そう、私はカツラを被って夏音に変装している。
双子だから、私と夏音の区別がちゃんとつくか、夏音に群がるハエの目障りなクォン・ジヨンに試すために…

「さぁて釣りするために久々に歌おうかなぁ…」

シンセサイザーをセットして作っておいた曲を流すといつものように歌う。
十八番は宇多田ヒカル、苗字が一緒だからってのもあるけど、それ以前に曲の感覚が私と似ているから歌いやすい。

「夏蓮の宇多田ヒカル、聴けるから許すわ。」

呆れていた紗英も私が歌えば機嫌が良くなった。
紗英に言わせれば、私もソロでデビューしてほしいと思っているそうだ。夏音とはまた違う音楽感があるとかないとか…
私にはその気はないのだけれど。

さて、何曲目で来るかなぁ?

『♪~平気な顔で嘘をついて~、笑って~♪』

3曲歌い始めたころ、ジヨンは現れた。
一旦、休もうと思っていたころだったからタイミングがいい。

歌い終わってカウンターのジヨンのもとへ行く。

「…いつもと曲調が違う。」

ジヨンは何か疑うような目で私を見た。



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