第1章 ギャンブル
泣きそうになりながら廊下をトボトボと行くあてもなく彷徨っていたら腕をつかまれた。
「ちょっと、あんた、夏音になにさせてんのよ。ヌードなら私がするから、夏音下がらせて」
声の主を見上げたら、夏蓮だった。
「…あれは、ヌードじゃ…」
俺は咄嗟のことで返す言葉がなかった。
「カメラマンに言ってよ。あんた、仮にも夏音の男なんでしょ?あんなことさせていいわけ?」
いいわけない。でも社長の命令じゃぁ、逆らうのは容易ではないし、こんなときに自分の弱さを知る。
「なによ。ボーっとして。もういい。私が言うから。お前も油売ってないでついて来い」
俺は引っ張られて前室に引きずられていった。