第1章 ギャンブル
冗談でそう言っていてもそれだけの関係に見られてるのは明白で、悲しくなった。
そう、こんな形でしか夏音を繋ぎ留められないんだ。
でも、自分でもどこまで思ってるかなんて分ってないのに愛してるなんて言って混乱させていいのか?
ただ、手放したくないなんて独占欲、分るわけはない。
だから、卑怯なままでいよう。
「んっ…待って、部屋まで…」
角に追いやって無理やりキスをする。
「ヤダ…」
「そんなに子供っぽいから、紗英ちゃんにからかわれるのよ。」
そんな減らず口を言いながら抵抗せずに差し込まれた舌を絡めてくる。
「んっ…んっ…はぁんっ…」
やっぱり、いい声だ。手放せない。この思いが才能に対するものか、女としてのものなのかなんてどうでもいい、ただ、手放せない。