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無色に色を【SARVAMP】

第1章 その名を呼ぶ。


─SIDE A.Misono─

僕の手には半ば無理矢理に手渡された、1枚の名刺。


その裏面に記されている、目的地であろう場所へと僕は向かっていた。




御園「・・・・・・ここか。
・・・ふん、庶民の店にしては中々のセンスじゃないか」




裏面の地図の通りに歩いて着いた場所にあったのは、一言で言うなら・・・そう、隠れ家と言う言葉が当てはまるような雰囲気の喫茶店だった。
・・・店名は“color色(からいろ)”と言うらしい。


周囲はコンクリート製の建造物ばかりなのに、この喫茶店color色だけはログハウス調。
普通なら目立つはずなのに、何故か違和感を感じさせない。・・・何故だ。

まあ、他人の労働場所の意味など考えたところで僕には関係無いだろうがな。




御園「(それにしても・・・この店の掛札はなんなんだ。
僕にここに来いと言ったのだから店自体は開店中なんだろうが・・・)」




普通の喫茶店ならば、OPENかCLOSEDの英単語が書いているだけ。

・・・なのに。


三日月が麦わら帽子を被っていて、“なう!”の文字。なう・・・と言う事は、NOWのつもりなのか?

意味不明だ。
これは深く考えたら負けなのだろう。

くそ、なんだこの人をおちょくっているような気の抜けるイラストは・・・!

・・・さっきの事と言い、この店と言い・・・あの女には聞きたい事が増えた。
・・・そろそろ入るか。


ガチャッ
カラン・・・

ぽふんっ


御園「っ!?な・・・・・・」

金髪の癖毛のある青年「おや・・・」




僕が店に足を踏み入れた瞬間、耳元で聞こえるはずのない音が聞こえた。
いや、語弊があるな・・・。
いつもなら聞こえても別段問題は無い。
問題があるとするならば、その音が“今”聞こえたと言う事実だ。




御園「リリイ、貴様何を考えている!?
僕がさっきあれほど・・・!」

リリイ「わ、私のせいじゃないですよ〜。
私はちゃんと御園の肩に止まっていましたし、人の姿になるつもりはありませんでしたよ?」

御園「何・・・?
だったら何故、貴様は今人の姿になっている!」

リリイ「ですから、それは・・・」




さっきの女から、何かしらの情報を聞き出すまで姿を変えるなと伝えたばかりだと言うのに・・・と僕がすぐ隣に現れたリリイを怒鳴った。
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