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魔界はーれむ。【R-18】

第4章 来客


「あー!キミが王女サマ?」

食堂に入るなり視界に飛び込んできたのはこれまた美形男子。紫っぽい髪に、深みのある赤い瞳。

…………え?
紫の髪に赤い瞳………?

「う、宇宙人………!?」

「ウチュ……ジン?」

ほらほらほら!
なんか発音変だし!!

「ウチュ、ジンって?ボク、聞いたことないんだけど」

落ち着け、私。
ここは魔界だ。宇宙人なんているわけない。うん。

「ま、いーや。ボクはサーシャ。ちなみにゼラの弟」

ゼラの………弟!?
兄弟ってこんなにも似ないものなの?ルシファムとリアムも、ゼラとサーシャもぜんっぜん似てない。

どちらも美形なのは変わりないが、髪の色が違う。茶色の髪をもつゼラと紫の髪をもつサーシャ。違いすぎる。瞳はどちらも赫眼なのだが、それでもどこか色味が違う気がする。

「ゼラの弟……」

さぞかし性格も悪いのだろう。
………という偏見。

「よろしくね、王女サマ」

サーシャが私の前に膝まづき、手を取った。何をするのかと首をかしげながら見ていると、私の中に警鐘が鳴り響いた。やばい、手を引け、と。

だが、もう時はすでに遅し。

ちゅっと軽い音を立ててサーシャが私の手の甲に口付けていた。そして、『どう?ボク、カッコいいでしょ?』とばかりに上目遣いを巧みに使いこなし、私にウィンクをする。カッコいいかって?

ふっつーにすんごいカッコいいよ、こんにゃろ!

「あ、あはは………」

なぜここで(非常に冷めた)笑い声が漏れたのか自分でも不思議だ。

とりあえず、これだけは言える。
この面倒くさい来客達。しかも兄弟。ルシファムとの間に何かありそうな感じ。


もうね、これ絶対





めんっどくさいことになるよ。
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