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魔界はーれむ。【R-18】

第4章 来客


【ゼラside】

案内された部屋にあるベッドに腰掛ける。頭に浮かぶのはあの女のことばかり。

「どうやって持ち帰るか………」

あんな女は初めてだ。
俺の正体を知っても態度を変えない。それがどうした、とでも言うように俺を睨みつけてきた。宝石や金にも釣られない。見た目もなかなかのものだった。

だが、疑問もある。

なぜ、あの女が魔界に来たのか。

今まで人間界で生きてきたと聞いた。自分が魔族だということを知らなかったのだから、そのまま人間界で暮らすことも出来たはずだ。なのに、ルシファムのやつはあの女を呼んだ。

まさかルシファムのやつ………

「あっれー?そんな難しい顔しちゃって〜。どーしたのー?兄さん」

「チッ…………お前かよ。気持ち悪ぃ呼び方すんな」

「兄さんって呼んだだけじゃん?兄さんの顔、すごいことになってるよ。眉間にシワ寄っちゃって〜。らしくないねー?」

胡散臭いやつだ。
昔っからこいつがとにかく苦手だ。

「そんなことよりさ……兄さん、王女サマに会ったんでしょ?」

「ああ」

「どーだった?噂通りの美人さん?そこらの女達と一緒、とか嫌だからね?」

この女好きが。
いや、まあ俺も女は好きだが。

「さあな。てめぇの目で確かめろ」

冷たいなぁ、とにやりと笑いながら部屋を出ていく。ほんと、迷惑なやつ。

まあ、あいつのことなんかどうでもいい。

ルシファムがあの女をどう思おうが、あいつはあの女を手放さなければならない。俺が欲しいといえば断れないはずだ。

もし、俺の考えていることがあっていれば、の話だが。

+-+-+-+-+-+-+

「さやか様、今晩の夕食にはゼラ様方もいらっしゃいますが、食堂でお食べになられますか?」

私は少し考えてから、返事を返す。

「うん、そうする。一応、王女になっちゃったんだもん。礼儀として私も参加しないと」

私は食堂へと向かうべく、ミアーシェに付いていく。

ゼラ様方、とはどういうことだろうか。
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