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魔界はーれむ。【R-18】

第4章 来客


私は部屋に入るなり、その場に崩れるように座り込んだ。体の力が抜けていくのが分かる。

私の魔力は異性の精を吸い取ることで満たされるらしい。魔力がないと確かにだるくなるのだが、今はそれじゃない。ルシファムと初めてした時以来、一度も気だるくなったことはないのだ。

言いようのない倦怠感が私を襲う。それも、私の体を、ではない。精神的にしんどいのだ。

引きこもりだった生活ががらりと変わったから?

違う。
そうじゃない。

もう、疲れたんだ。
人と関わるのがしんどい。

今日は初めて笑った。
私の記憶では笑ったことは一度もない。

たくさん人と話して、遊んで。
楽しい。とても楽しい。

でも一つ、忘れてない?

ここでは相手の考えていることなんて全く分からない。人間界とは全く違う。あの頃は相手の考えていることが手に取るように分かったから、相手に踏み込むことをしなかった。誰かと関わろうとしなかった。だけど、ここは違う。みんながみんな、自分の思っていることを隠しているのだ。

それじゃあ、相手が何を考えているのか分からない。私と話しながら、根暗とか気味悪いとか思っているかもしれない。いや、絶対に思ってる。

『こっち来んな、妖怪女!気味悪いんだよ!』

「っ…………!」

あれ…………?
おかしいなぁ…………。

とっくに割り切れているって思ってたのに。人なんて大嫌いだって思ってるのに。

まだ引きずってる。

「全ての視線をスルーしろ。外部のことなんて気にするな。あんな人達に好かれる必要なんてない。私は私」

そう、私は私。
他人は他人。

関係を持つだけ、裏切りが待っている。

そのことを私が一番分かってるじゃない。

「深入りするな、されるな。壁を作れ。隙間なんて何一つない完璧な壁を」
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