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魔界はーれむ。【R-18】

第4章 来客


美的センスの違い…………か。
ここまでくるとなんか怖いなぁ。

「おいリアム。お前の兄貴はどこにいる?」

190cmはあるであろう高身長で、175くらいのリアムを見下ろす。リアムも(私からしたら)背は高いのに、彼を易々と見下ろせる彼がうらやまs………いや、見下ろせる彼の背の高さに驚く。

「教えてもいいけど、さやかは連れて行ったらだめ」

なぜかリアムが挑発気味だ。
いや、なぜも何も彼相手だからか。そう納得出来てしまう彼の人徳の無さ。逆に可哀想だ。

「はあ?俺は客だぞ?んなクチきいていいのかよ」

「うん」

即答!?
思わず笑×100を付けそうになる。

「ああ?なめてんのか?」

「舐めたらまずそうだから舐めるわけない」

リアム、純粋すぎるよ。
その『舐める』で意味を捉えちゃったのね。

「ケンカ売ってんのかよ!?」

「ケンカって売れるの?ゼラはケンカを買えるの?」

もうちょっと………むり………!

「っくく…………あはははははははっ!」

私の奥からどんどんと笑いが込み上げてくる。最近笑ってなかったからだろうか。いや、私が今まで笑ったことなどあっただろうか。ここに来るまで微笑んだことすらなかったかもしれない。

「あはははっ、ちょっ、止まんないっ」

笑いすぎて目尻が濡れてくる。
そして、そのまま頬を伝う。

「さやか………?どうして泣いてるの?」

リアムが心配そうに私を見つめる。

「なんで、だろ?笑いすぎたのかな」

だんだんと落ち着きを取り戻し、涙も止まった。

「ちょっと、部屋に戻るね」

私は少し冷静にならなければならない。それに、笑うのって意外と疲れる。

私は、何が起きているのか分からない、という顔をしたふたりに背を向けて自室へと向かった。
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