第4章 来客
なんでこの人が城に!?
確かに服装は貴族って感じだけど、ミアーシェの言うようにここにいる民の服装がみんな彼みたいにきらびやかなのだ。
ルシファムやミアーシェからは来客が来るなど聞いていない。ん………?いや、聞いた。確か、ルシファムの友人が来るとかなんとか………。
私は目の前の大男を見上げた。
この人がルシファムの友達?
うっわ!
最悪コンビじゃないの!あんなに性格の悪いルシファムと、このちょーおれさま主義坊ちゃんが友達!?いやまあ確かに見た目に華はあるかもしれないが、最悪すぎる。
これならミアーシェが疲れきっているのも納得だ。こんなにもめんどくさい友人ならば来ない方がミアーシェの為だ。
ここまで考えて私は首を傾げる。
いや、違う。
忙しそうにしていたのはミアーシェだけではない。この人の友人である当の本人、ルシファムも目の下にくまを作り、疲れているように見えた。
どうして?
なんでルシファムも?
私の頭の中はパニックで真っ白になった上に、はてなマークがたくさん浮かんでいる。というか、はてなマークが頭の中を埋め尽くし、もう白なんてどこにもない状態だ。つまり、それくらいに私は今、考え込んでいる。
「あんた………一体なに?」
この人は本当にルシファムの友人なのだろうか。ミアーシェがそう言った時、顔が陰っていたのを思い出す。何か絶対に裏があるはずだ。
私の問いに目の前の彼が、待ってましたとばかりににやっと笑う。
「気になるか?実は俺はな────」
────前魔王の息子なんだよ。