第4章 来客
「っ、ちっ!いってぇーな!」
私は魔族のことについて少し調べてみた。城内に図書室をミアーシェに教えてもらってからこっそり通っていたのだ。
「おい、聞いてんのか!」
まず、魔族のほとんどを占めているドラゴン族。彼らの特徴は種によって違うのだが、共通点がいつくかある。まずはドラゴンと意思疎通が出来ること。ドラゴンとドラゴン一族は全く別物だ。魔界の時間でいう、10万年前。それまで捉えることの出来なかったドラゴンを従えさせた悪魔が三人いた。そしてその三人にドラゴンの長が絶対の服従を誓い、その血を分け与え、炎、水、緑を司るドラゴン一族が出来たという。諸説あるが、この情報だけはどれも共通していた。
「おいっ!!!」
そして、レベルは違えど空を自由に飛ぶことが出来る。特にミアーシェのようなドラゴンの血を多く受け継いだ悪魔は立派な黒の翼があるという。
「シカトかよ!お────」
「うるっさいわね!」
さっきから考え事をしているというのに、外野がうるさい。町の様子を観察しながら勉強をしようと思ってたのに!
「さっきからうるさい!私は今、考えてごとをしてるの!分からない!?ちょっとぶつかったくらいでギャーギャー騒いで!それでも男?器ちっさ!」
私に騒ぎ立てていた男は私よりもかなり身長が高く、かなり見上げないと目が合わないくらいだ。その見下された感に私は更に怒った。
「第一ね、こんなにもたくさんの人がいるっていうのにぶつからない方が無理な話でしょ!?そんなのも分からないの?器だけじゃなくて脳みそもちっさいのね!」
首が痛かったから真っ直ぐ向いたまま彼のお腹辺りを見ながらまくし立て、もう一度見上げる。私渾身の睨みをきかせて。
「え………?」
あれ?
うん、分かってる。結構間抜けな声を出した。だけど……だって………こんなに睨んでるのに、すんごいうっとりと見られてるんだけど。
「な、なに………」
うん、分かってる。結構弱気な声を出した。だって、さっきまで喧嘩腰だったくせに急にこんな風に見られても………。渾身の睨みを効かせたのが恥ずかしいじゃない。
「いい………」
今のは私じゃない。
いい、ってなにが!?