• テキストサイズ

魔界はーれむ。【R-18】

第4章 来客


クローゼットに掛けてあったコートを身につけ、頭を隠す。便利なことにフード付きだ。そしてドレッサーにはカラーコンタクト。色は…………青と赤とピンクと黄色と茶色………。うん、茶色にしておこう。ご丁寧にコンタクトの付け方のマニュアル本まである。誰が用意したんだか。

コンタクトもつけ終わり、私はもう一度ドレッサーをあさる。すると出てきたのは………カツラ。いや、ウィッグにしておこう。色は明るめの茶色。それは売り物のように袋に入っている状態で、袋には『ナチュラルスタイルで楽しもう!自然に可愛く、とっても軽い!』というキャッチフレーズ付き。それならコートをつける必要もない。

そして、それらを身に付けて完全な別人になりきった私はひっそりと城を出た。そして城を出てから、リアムを誘えばよかった、と後悔した。

+-+-+-+-+-+-+

簡単に言うと…………

私の想像していた城下と全く違う!

私が想像していたのは歌舞伎町とかあって、魚屋さんとか屋台がたくさんあり、そして『この紋章が目に入らぬか!』的なのを期待してたのに………。

あ、でもそれって江戸とかの話か。今は平成。江戸は昭和、大正、明治、慶応………ってことは四つも前か。だったら仕方ない。

そこは誰にでも分かるように言えば………、テレビでたまに特集される古代ローマの秘密に迫ろう的なコーナー中によく出てくるローマ帝国を再現してみました、みたいな感じ。

江戸時代の日本とも現代の日本とも全く異なった風景だ。だが、私はそれを自然に受け入れられてしまう。たまにこういう時があるのだ。人間界では信じられないことが起きてもそれを簡単に受け入れられる。

「…………やっぱり私、魔族なんだ……」
/ 78ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp