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魔界はーれむ。【R-18】

第3章 白い皇子


「ミアーシェ、最近忙しそうね」

昨夜のことがあったから、私は少し棘のある言い方をしてしまった。そして、言ってから後悔した。

「はい、申し訳ありません。ルシファム様のご友人様がご来客になるのですが、その準備に手間取っていまして」

私はあまり聞かない言葉を耳にし、首を傾げる。

「ルシファムって友達いるの?」

「ええ、そうですね………。友人、と言いますか………なんというか」

珍しく歯切れの悪い言葉を返すミアーシェに私は更に首を傾げた。見た感じ、少しやつれた感じもする。

「ミアーシェ、私のことは放っておいてもいいから、少し休んできたら?」

これは本心だ。
ミアーシェにはいつも感謝している。だからこそ、たまにはゆっくりと休んでほしいのだ。私のことなんか気にせずに。

「でも………」

「いいの。私だって立派な大人よ?」

すると、ミアーシェはどこか諦めたように微笑んだ。

「ありがとうございます。それでは夕食のころまた伺いますので、その時間まで休ませていただきます」

私は頷いてミアーシェに手を振る。
さあて、昨日のラ・ルイーゼを探しに行くか。

+-+-+-+-+-+-+

「申し訳ありません。そのような方は存じ上げておりません」

「そう………。ありがとう」

もう何度目かの質問と、もう何度目かの答え。いい加減、違う答えを聞きたい。

私はとりあえず、お城ですれ違う使用人に声を掛けていく。【ラ・ルイーゼみたいな人は知らないか】と。でも、もう何人にも聞いたけど知っている人はいなかった。まあ確かに、そんな突拍子のないことを聞かれても困るだけだろう。

そんな時だった。

「あ、ああ、あの………お、お困り、ですかっ?」

…………………。





「いたぁああああああああ!」
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