第6章 No.6
ゆきはオレの手を包んでいた片手を離し、その手をオレの頭へ。
なでなで。
「⁉︎」
未だかつて、この鬼の副長の頭を撫でるヤツがいただろうか。
オレはビックリしてゆきを見る。
ゆきは嬉しそうにオレのアフロ頭を撫でながら言った。
「沖田さんや坂田さんはそんなんじゃありませんよ。沖田さんは一度会ったきりだし、坂田さんとは店員とお客さんの関係です」
おまえはそうでも向こうはそうじゃないんだよ!
「いや、あの総悟の様子だと絶対ぇおまえのことを気に入ってる!きっと数日中に接触があるはずだ‼︎ それに万事屋の野郎だって、あの金欠プータローが毎日来るなんて、おまえのことを狙ってるに違いねぇ!」
力説するオレにゆきは手を止めまたキョトンとした。
「トシさんて、独占欲強いんですね」
ガーン‼︎
そうだよ!彼氏でもねぇのに、オレってば何言ってんの⁉︎
…面倒くさい男だと思われた⁉︎
「すまねぇ…」