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十四郎の恋愛白書 1

第6章 No.6



「ほんと土方さん、サイコーにかっこいいわぁ。こんなに笑ったの、あの人が死んでから初めてよ」

おばちゃん、それ、褒めてないよね。

「兎に角、いただきましょう」

ゆきは自分の賄いをオレの隣に置いて座った。
オレも久しぶりのゆきとの食事、そして神のマヨネーズを目の前にして機嫌を直した。

「いただきます」

2人で手を合わせて食べ始める。

うん、やっぱりゆき製のマヨネーズは最高だ!

オレが無心に土方スペシャルを食べていると、やはりまだゆきからの視線を感じる。

「それでその頭、どうしたんですか?まさかイメチェンとか⁉︎」
「違うわ!総悟に、一番隊隊長なんだが、バズーカをぶっ放されたんだ」
「えぇ⁉︎バズーカですか⁉︎」

流石に驚いたゆき。
まぁ普通バズーカで打たれたら死ぬからな。ガッツリ殺人未遂だからな。オレは慣れてるから頭アフロで済むけどな。

「あぁ。同じ郷土のヤツで長い付き合いなんだが、まだ子供でな。といっても18歳だったか?そいつがどうもオレには懐かなくて…。隙あらば命を狙って来るんだ」

土方スペシャルを完食したオレはゴクリと水を飲んだ。

「総悟、さん…?一番隊隊長の…?…沖田、総悟…さん?」

ゆきは少し上を見ながら呟いた。

「? ゆき、知ってるのか?」
「はい。先日、仕事の帰りに人が倒れてて介抱したんです。その方が、確か真選組一番隊隊長の沖田総悟さんって仰っていました」

驚いた!総悟とゆきに接点があったとは!

この前のチャイナ戦で負った総悟のケガの手当てをした民間人がゆきなんだろう。道理で総悟とすれ違った時にゆきの匂いがした筈だ。あれは勘違いじゃなかったんだ。

「総悟と知り合いだったのか」
「一度お会いしただけですけどね。でも、とてもバズーカを人に対して撃つような方には見えませんでしたけど…」

ゆきは総悟の容貌を思い出してるのか、小首を傾げた。

「あいつは年上の女には愛想がいいからな」

オレはタバコに火をつけながら答える。

そういえば総悟の野郎、手当てしてくれた人には自分で礼に行くって言ってやがったな。ゆきを気に入った証拠だ。
万事屋だけでなく、総悟まで登場とは…ややこしいことになったな。
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