• テキストサイズ

桜の葉が舞い散る季節、貴方の傍に居られたら… 【気象系】

第13章 AIBA


「相葉さん、風呂の用意して来てくれる?」

ニノに言われて、俺はまるで棒のようになった足を、漸く動かした。

蛇口を捻り、浴槽に湯をためる。

少しずつ増えていく湯を見ながら、俺は一つ息を吐いた。

俺、何やってんだろ…

翔さんに手を上げるなんて…
どうかしてるよ…

洗面所でタオルを濡らし、それを手に寝室に行くと、ニノの腕の中で、泣き腫らした顔の翔さんが俺を見上げて…笑った。

良かった…、もう忘れてる…

何事もなかったように笑う顔を見た瞬間、一瞬だけど、俺の中から罪悪感が消えた。

「風呂、すぐ湧くから…。それとコレ…」

ニノに向かってタオルを差し出すと、ニノはそれを受け取り、翔さんの腫れた頬に宛てた。

「翔さん、風呂行こうか?」

「風呂?」

「そう、風呂。そのままでいたら気持ち悪いでしょ? 綺麗にして貰お?」

ニノの言葉に、翔さんが小さく頷くのを確認して、俺はニノの腕から翔さんを抱き上げると、そのまま脱衣所へと運んだ。

洗濯機に両手を着かせ、身体を支えさせ、茶色い染みを作ったスウェットの下と、紙オムツを下す。

鼻をつく匂いに、思わず吐き気が込み上げるのを、必死で堪えて、汚れた部分をティッシュで軽く拭き取った。

「後はシャワーで流そうね?」

翔さんが来ていた服を全部脱がせ、俺も裸になると、翔さんの身体を支えながら、風呂場に入った。
/ 143ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp