桜の葉が舞い散る季節、貴方の傍に居られたら… 【気象系】
第13章 AIBA
狭い洗い場で、翔さんの身体を抱えるようにして、下半身に向かってシャワーをかける。
翔さんの足を伝って変色した湯が風呂場の床に流れていくけど、それに構っている余裕なんてなくて…
「翔さんごめんね? ちょっと触るよ?」
俺は一言断ってから、シャワーのノズルをフックに引っ掻け、シャワーの向きを固定すると、翔さんのお尻の割れ目に指を滑らせた。
小さく窄んだ穴の周りにこべりついたのを指で撫でて洗い、それが終わると前にも手を伸ばした。
薄く生えた毛に絡み付いているのを指で梳いて落とし、垂れ下がった中心の細かい皺の間や袋に至るまで、綺麗に洗い流した。
自分の手が汚れるのに、匂いだって鼻について離れないのに、不思議と”汚い”なんて思わなかった。
好きだから、愛してるから、なんて感情じゃなくて、ただ相手は何も分からない小さな子供と同じ、そう思ったら抵抗なんて感じなかった。
全身をボディーソープで丁寧に洗い、シャンプーまで済ませると、俺は翔さんを抱きかかえて湯船に浸かった。
「きもちいいね?」
俺の肩口に預けた頭が、小さく動く。
「さっきはごめんね? 痛かったよね? ホント、ごめん…」
濡れた髪を撫でながら、俺は翔さんの細い腰に回した腕に少しだけ力を込めた。