第11章 内密*
後処理を済ませて背を向けると抗議の視線を感じる。
「何だよ。」
「達央さんばっかりズルイです。」
「あ?」
「私もイきたかった。」
燻る熱で息が上がる日菜乃を横目に床に落とした衣類を拾い上げる。
「ふぅーん。でも、俺。もうそう言う気分じゃないし。」
「最低。」
睨まれても、全然怖くねーし。
「お前の願いは叶えてやったと思うけど?」
「はい?」
「俺のことしか考えられねーだろ?」
「本当に最低!!」
「あははは。最低で結構。」
「風呂借りるわ。場所どこ?」
ソファーに寝転び、ふてくされたように顔を背ける日菜乃。
「勝手に探す。」
俺は、リビングの扉を開けて廊下へ出た。