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逢ふことの(裏)~声優さんと一緒~

第77章 待望







「誰と行くんだろう...ボクはちゃんと送り出せるのかな。」

「ん?」

「いや。ひとり言です。」

机に額をつけて唸る。

「よし!考えないようにしよう。」

「あはは。逃げてる逃げてる。」

頬杖を付いてボクに視線を向ける代永さん。

「逃げても何も解決しないと思うけど。」

お揃いのリングをクルクルと回しながら、回るクラウンの先を見つめる。

「んー。疑惑が確信に変わったはずなのに。」

「それを認めるのが怖くて。」

「何も出来ないんですよ。」

「ボクは何も変わってないんです。」

「………そんな感じです。」

「そっか。」

「でもさ。そう言う感情って相手も感じ取ってると思うけど。」

「………そうなんですかね…。」

眉を寄せて大きく溜息をつく。

「ね?そのリング。この前まで付けてなかったよね?」

「あ。これですね。」

爪で弾けば虚しく音が響く。

「少し前に一緒に買いに行ったんです。」

「そっか。それなら問題ないんじゃない?」

「んー。ボクがお店に連れて行っただけですし。」

「それに…カノジョの為に作ったリングは渡せてないです。」

「作ったリング?」

「はい。特別なリングなんですけど。今も家で眠ってますよ。」

「そっか...早く渡せるといいね。」

背中をポンポンっと叩き、微笑む。

「そうですね。」

「そんな日が少しでも早く来ることを祈って。」

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