第10章 虚威
前を歩く日菜乃に付いて歩く。
「結構良いとこ住んでんだな?」
「まぁ、心配な事も多いので…」
「一応セキュリティは、ちゃんとした方が良いって森本さんが言うので引っ越したんです。」
「森本って、比較的顔が良いマネージャー?」
「そう言われてますね。」
「ふーん。」
エレベーターに乗り、専用のキーを差し込むと目的の階が点滅。
そこをタッチすれば動くエレベーター。
「本当に凄いな。」
「お家賃は、高いですけど…」
開いた扉を抜け、一番奥の部屋の前でロックを外す。
「どうぞ?」
ドアを開くと、感知式なのか玄関の照明が点いた。