第77章 待望
「カラダの関係なんて要らないんだ。」
「一緒に出掛けられなくても構わない。」
「お前とノブの時間をほんの少しでいいんだ。」
「俺に分けて。」
「…この部屋で…2人だけでいられる時間を」
「少しだけでいいんだ。」
「それだけで十分。」
「心もカラダも…要らないから。」
「ほんの少しの時間を俺に……。」
そう言ったはずなのに。
どんどん欲張りになるんだ。
負担を掛けないつもりなのに。
思っていても抑えられない自分がいる。
これ以上一緒にいても未来なんて無い。
分かってた事なのにな?
ヒナの優しさに甘え続けるなんて。
次が最後だから。
最後のワガママ。
これで終わりだから。