第69章 同朋
「一緒に住んでるんだ。」
そう言うと予想通りの反応で。
「………はぁ?え?どう言うこと?」
顔をぐっと近づけ、片眉をあげるユキ。
現状を話す事は出来ないけれど。
「あはは。そんな顔しないでよ。」
「へぇー。日菜乃がねぇ。」
「あの岡本さんと…ねぇ。」
「幸せ?」
その問いに素直に頷けないけれど。
「うん。」
「幸せだよ。」
「だって。一緒にいられるんだん。」
私の笑顔は、ぎこちなくない?
どれくらい笑ってないかな。
………
笑うって。
どうしたらいいのかな?
視界は滲む。
手元のグラスに視線を落とせば、溢れる雫。
「っ…っ…」
「久々に来たのにごめん。」
それでも止まらない涙。
何で泣いてるのかも分からないのに。