第67章 昂進
狭いブースに一人。
台本に向かい、録り続ける事ほぼ一日。
3時間特番のナレーション。
数人の声優が務める。
私の割合は他の方々に比べたら少ないはずなのに…
慣れない環境。
慣れないブースに悪戦苦闘しながら何とか終えた。
アニメの収録とは違い、一人で行うナレーション収録。
勿論、スタッフさんはいるものの。
やはり環境の違いに戸惑いは隠せない。
初めてのナレーションとは言わないものの。
ここまで長い収録初めて。
神谷さんは、アニメの収録もしてナレーションもして。
二つ難なく熟していると思うと言葉が出ない。
「お疲れさまでした。」
「ありがとうございました。」
発した声はヒドく疲れてて。
もっと改善しないと。
そう実感させられる。
瞼を閉じて、ゆっくり大きく息を吐いた。