第60章 還御
「お待たせ。」
コーヒーとミルクティーのカップを両手に抱え、駐車場に止めた車のシートに座る。
「はい。どうぞ。」
「ありがとうございます。」
受け取ると口を付けて飲み込む日菜乃ちゃん。
「ミルクティー…」
視線を落として、口角をあげる。
キミは何を考えてるの?
「他にどこか行きたいとこある?」
「この時間だとどこも開いてませんし。」
「家に帰りましょう。」
「分かった。じゃあ…帰ろうか。」
視線を前に移し、アクセルを踏む。
この先にあるものは…闇?
それでも構わない。
一緒に堕ちよう。
キミとなら何も恐くないんだ。