第60章 還御
席に戻ると皆が優しく話を聞いてくれた。
ボクの話したいところ以上は踏み込まない。
そんな良平さん、代永さん、江口くんの3人には本当に甘えてしまう。
「そっか。」
「何があったか深くは聞かないけど、結果的に戻ってくるなら良かったな?」
「ノブは日菜乃ちゃんの事いつも考えてるもんな?」
「岡山の時だって、打ち上げ途中で帰っちゃったし。」
ニヤニヤしながら、ボクを見つめる良平さん。
「いつの間にか存在が大きくなってるんですよね。」
「何?惚気?」
「そんなに意地悪しないの!」
代永さんがすかさず助け船を出してくれる。
「惚気るほど話せる話題が無いのが現状ですけど。」
自嘲気味に笑う。
「申し訳ないんですけど、明日の早朝に迎えに行くことになりましたので…」
「早く帰りなよ?遅刻したら逃げられちゃうからね。」
「それはシャレにならないです…」
「申し訳ないですけど、お先に失礼しますね。」
大きく息を吸って、ゆっくりと吐き出す。
「今度ゆっくり聞かせてよ。」
頷き笑う。
「良い報告が出来ればいいんですけどね。」